お客様からのご要望

プーリーモニュメント用の大きなからくり時計の一部となるプーリーにTiNコーティング処理を出来ないかと相談がありました。お客様の目的として2点ありました。

1つ目は、装飾用としてプーリーを金色にしたいといった内容。2つ目は、使用する環境は室内で、時計が動くにつれて1㎜のワイヤーがプーリーに巻き続ける動作をするため耐摩耗性や表面硬度を上げ、ワイヤーに対しての耐久性を高めたいといった内容でした。

さらに今回のコーティング依頼はかなり急ぎの案件だったようで、納期を最短でお願いしたいと言われました。

プーリーの概要

サイズ:φ70×12t
材質:SUS303
数量:4個

受入検査

お客様から送られてきた製品はもともと金メッキ済みだったため、金メッキを剥がした状態で送られてきました。到着次第、表面にメッキ残り、粘着剤、汚れ、シミ、キズなどがないか確認しました。

金メッキされる前の製品自体は新品だったので外観検査時には大きな問題はありませんでした。

下処理、洗浄

脱脂、汚れ除去の目的で製品の全面を専用の有機溶剤にて拭き作業を行いました。再度仕上げを行った後に、洗浄機にて洗浄を行いました。洗浄上がりの製品に液シミなどが無いか入念に外観検査を行いコーティング工程へと流動しました。

コーティング(アークイオンプレーティング法)

製品を専用の取り付け治具にセットし台車に取り付けました。製品に治具との接触によるキズが入らないよう慎重に取り付けを行いました。

次に所定の温度で成膜許可圧力まで真空加熱による脱ガスを行いました。次に所定の時間アルゴンイオンを製品表面にたたきつけるイオンボンバード処理を行い、さらに表面のクリーニングを行いました。

イオンボンバード処理を行う事によってコーティングの密着性向上につながります。使用ガス流量、成膜時間、成膜時電流値、冷却時間等、自社のTiNコーティングの条件で成膜処理を行いました。

コーティング終了後、膜厚測定を行い規定の膜厚以上に膜が着いているかを確認しました。また、外観検査を行いキズ、コート抜け、シミ、汚れ等が無いか確認を行い、梱包し発送となりました。

使用期間について

お客様より、希望納期通りに製品を発送いただきありがとうございます。見た目の色見に関しては全く問題ありません。ワイヤーに対しての耐久性の部分に関しては、使用開始から2週間ほど連続で使用した時点で、プーリー本体にワイヤーが擦れた跡や目立ったキズ等はありません。コーティング依頼をしてよかったと思っています。という言葉を頂きました。