お客様からの要望

包装機用刃①お客様からの依頼内容として包装機械用のこぎり刃2種類の耐摩耗性を向上させたいとの依頼がありました。包装機械は大きく分けて縦ピロー用、横ピロー用の2種類があります。
ピロー包装とは、一枚のフィルムを背中合わせでシールして筒状にし、指定の長さで底部をシールして切断した形状に包装する方法です。包装された形が枕(=ピロー)に似ていることからこの名前が付きました。
縦ピロー包装機は、包装フィルムを縦に流しながら筒状に成形し、内容物を包む包装機です。 筒状になった包装フィルムは、まず背面と底面をシールし、製品を上から充填し、最後に上部をシールしてカットします。
横型ピロー包装機はベルトコンベア上で商品を横に流しながら包装していく包装機で、固形物の包装に適しており、さらに分けると、正ピロー包装機と逆ピロー包装機が存在します。

包装機械用刃(2種類)の概要

サイズ:600mm×77mm×1.5t、600mm×77mm×1.2t 
材質:SKH-51
数量:各2本

受入検査

お客様から送られてきた製品はすべて加工後の新品でしたので外観検査において目立った汚れ、キズはありませんでした。包装機械用刃には錆防止用の脂が前面に塗られた状態で納品されました。

下処理、洗浄

包装機用刃②脱脂、汚れ除去の目的で製品の全面を専用の有機溶剤にて拭き作業を行いました。刃を専用枠にセットし超音波洗浄機に流すことでより精密な洗浄を行いました。超音波洗浄は手拭き時に洗浄が行き届かない溝や凹み部を洗浄する効果があります。さらに全面を仕上げ拭き処理を行いました。洗浄後の製品に液シミなどが無いか入念に外観検査を行いコーティング工程へと流動しました。

コーティング(アークイオンプレーティング法)

包装機用刃③製品を専用の取り付け治具にセットし台車に取り付けました。製品に治具との接触によるキズが入らないよう慎重に取り付けを行いました。次に所定の温度で成膜許可圧力まで真空加熱による脱ガスを行いました。真空加熱による脱ガスを行う事で成膜中のアウトガスが発生しにくくなりコーティングの密着性が上がります。次に所定の時間アルゴンイオンを製品表面にたたきつけるイオンボンバード処理を行い、表面のクリーニングを行いました。イオンボンバード処理を行うことによって、さらにコーティングの密着性向上につながります。使用ガス流量、成膜時間、成膜時電流値、冷却時間等、自社のTiNコーティングの条件で成膜処理を行いました。コーティング終了後、膜厚測定を行い規定の膜厚以上に膜が着いているかを確認しました。また、外観検査を行いキズ、コート抜け、シミ、汚れ等が無いか確認を行い、梱包し発送となりました。

納品後のお客様の声

出来上がった品物を見た感想として見た目、コーティングエリアには満足との声をいただきました。製品の使用効果については現在、客先にて試験中です。