銅鍍金銅(Copper)は、元素周期表における元素であり、化学記号はCu、原子番号は29です。銅は良導体であること、良い熱伝導性があります。そのため、電気や熱の伝導材料として広く使用されています。銅は可鍛性があり、加工しやすいです。この特性からにより、さまざまな形状やサイズに成形でき、様々な製品に利用されています。

無電解銅めっきの特徴

1,無電解めっき(化学めっき)
通常の電解めっきは電流を必要としますが、無電解銅めっきは電気を使用せずに行われます。 これにより、電流源や電極などの設備が不要となり、装置の簡素化が可能となります。

2,均一なめっき厚
無電解めっきは、電気めっきと比較して均一なめっき厚を実現しやすいです。電気めっきでは電流の通り方によってめっきの均一性に課題がありますが、無電解めっきはそのような問題が軽減されます。

3,電気めっきよりも高い硬度
無電解めっきによって得られるめっきは、通常、硬度が高い傾向があります。これにより、耐摩耗性や耐蝕性が向上します。

4,均一な合金形成
無電解めっきは、めっきを施す材料とめっき層との間に均一な合金層を形成しやすいです。これにより、付着が強力で安定しためっきが可能です。

5,低温による処理
無電解銅めっきは通常、比較的低温で行われるため、熱に敏感な素材や基板にも適しています。

6,環境への影響が少ない
無電解めっきは通常、水性の溶液を使用し、有害な化学物質を使用しないため、環境への影響が少ないとされています。

無電解銅めっきの工程

①前処理
めっきを行う前に、機材表面を清浄化し、油脂、酸化物、および他の不純物を取り除きます。これは脱脂や酸洗浄などの工程も含みます。機材表面を正常な状態にすることでめっきの密着性向上につながります。

②触媒処理
銅めっきが効果的に行われるために、通常は表面に触媒を形成する処理が必要です。これには、触媒として機能する特定の溶液や化学物質の適用が含まれます。

③無電解銅めっき
めっき槽に基材を浸し、めっき液によって無電解めっきが行われます。めっき液はめっき金属イオンやめっきプロセスを促進するための特殊な化学物質を含みます。電流を使用しないため、基材の形状や凹凸に関係なく均一なめっきが可能です。温度、めっき液の濃度、PH(酸性度・アルカリ性度)、めっき時間などの条件を制御して、望ましいめっき層の特性を得るためにプロセスを最適化します。

④反応時間の管理
めっきの目的や仕様に応じて、基材をめっき液中に浸漬する時間を管理します。これにより、適切なめっき厚や性能が得られます。

⑤めっき後の洗浄、乾燥
めっき後、基材を洗浄してめっき液を除去します。これによって残留物や比較的危険な薬品を取り除きます。一般的に、めっき後の洗浄は複数回行われます。 その後、乾燥させ水分による表面の酸化を防ぎます。

⑥仕上げ処理
製品の規格や仕上がり状態によってはめっき後の仕上げ処理が必要なものがあります。これには、乾燥、焼結、研磨、防錆処理などが含まれます。

⑦品質確認、外観検査
めっき膜の厚さを測定し、仕様に合うように適合確認します。また、めっき膜がめっき製品にしっかりと密着しているかどうかを検査します。その後、製品の外観確認を行います。キズ、汚れ、シミ、めっき剥がれ、めっきの均一性等を確認し問題が無ければ梱包、発送となります。

無電解銅めっきは、通常の電解銅めっきよりもエネルギー効率が高く、均一で滑らかな銅めっき層を形成できるという利点があります。微細なデバイスや部品、集積回路などの製造に適しています。