摩耗とは

摩耗とは硬い材質ものもがすり減ることを言います。例えば切削工具、自動車のブレーキパッドなどがあります。金属においての摩耗は、金属自体が他の物体と接触して発生する摩擦力などの力を受け表面がすり減ることを言います。金属の摩耗には大きく4通りあります。1つは、アイブレイジョン摩耗と言い、金属自体よりも硬い相手との凹凸により削り取られて進行する現象。

2つ目は凝着摩耗と言い、相手の材料の一部が凝着して剥がれ落ちるときこちらの金属材料表面が持っていかれることによって進行する現象。凝着する表面に反応生成物が形成されることや、凝着物に余分に力がかかることによって疲労が進み発生すると言われています。

3つ目は疲労摩耗と言い、相手の材料からの荷重により金属の内側に疲労荷重がかかり疲労亀裂が進行し剥がれてくる現象。4つ目は腐食摩耗と言い、様々な環境下において腐食物質や潤滑剤中の化学活性物質との反応により脆弱な物質を生成し、その物質が相手材料からの作用力によって脱落し進行する現象。また摩耗は、これらの減少が重複して起こることが多いと考えられています。

めっき処理における耐摩耗性

金属コーティングに関わらず様々なコーティングにより耐摩耗性を向上させることができます。膜硬度を上げることで耐摩耗性を向上させることができます。例えばメッキ処理は耐摩耗性向上に多く施される表面処理の一つです。

めっきの硬度一覧

めっき種類 ビッカース硬度(Hv)
硬質クロムめっき 800~900
ニッケルクロムめっき 700~800
無電解ニッケルめっき 200~300
無電解ニッケル後熱処理 700~800
無電解ニッケルめっき+ホウ素 700~800
無電解ニッケルめっき+テフロン 500~600
無電解ニッケルめっき+Sic 500~600
無電解ニッケルめっき+Sic後熱処理 900~1000

上記のようにめっきの種類、処理方法によって硬度は変わってきます。メッキ後に熱処理を行う事によって硬度が上がります。

金属コーティングにおける耐摩耗性

金属コーティングにおける耐摩耗性に関しては、めっき処理と比較し高い硬度を出すことが可能になり耐摩耗性も更に上がります。

金属コーティング種類 ビッカース硬度(Hv)
Ti(チタン)コーティング 600~800
TiN(窒化チタン)コーティング 1800~2300
CrN(窒化クロム)コーティング 1600~2000
CrAlN(窒化アルミクロム)コーティング 2000~2400
TiAlN(窒化チタンアルミ)コーティング 2200~2600
TiCN(炭窒化チタン)コーティング 2000~2400
DLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティング 3000~5000
TiTa(チタンタンタル)コーティング 1000~1500

硬度はもちろん金属膜には滑り性が上がる膜種も存在し、それらは更に耐摩耗性に対して効果を発揮します。例えばDLCは、滑り性もよく、高硬度な膜となっているため耐摩耗性を向上させる膜としてよく選定されます。