パラジウムめっき

パラジウムめっきは元素記号Pdで表される金属であり貴金属の薄い層を基材の表面にめっきするプロセスです。Auに替わる安価なめっきとして注目されています。また、ニッケルやコバルトとの合金としてめっきすることにより、さらに耐蝕性、耐摩耗性、耐熱性が向上されます。

パラジウムめっきの特徴

1,耐蝕性
パラジウムは非常に耐蝕性があり、特に酸や塩基に対して安定した性質を持っています。そのため、めっきされた表面は錆びや変色に対して優れた効果を発揮します。

2,伝導性
パラジウムは優れた導電性を持っています。めっきされた基材の導電性を向上させることができます。これは電子部品や接点などの導電性を必要とするものに使用されます。

3,装飾用途
パラジウムめっきは美しい光沢を持っています。そのため、高級な装飾品や宝石、時計、カメラ、高級ペンなどの製造に使用され、製品の外観を向上させます。

4,溶解性
パラジウムは一部の酸に対して溶解しない性質を持っています。これにより、めっき層は化学的な攻撃から保護されます。

5,耐熱性
パラジウムめっきは高温で安定しています。高温環境下でも壊れず、高温で使用される部品や装置に適しています。

6,環境に対して
パラジウムめっきは、一般的に環境に優しいめっきプロセスと考えられています。特定のめっきプロセスは無鉛めっきとして実施され、環境に対する影響を考慮して工夫されています。

パラジウムめっきの工程

①前処理
基材の表面を洗浄修復、油、汚れ、酸化物を取り除くための処理を行います。研磨、アルカリ洗浄、酸洗浄などの手法が使用され、めっき層の密着性を向上させます。

②活性化処理
基材表面を特定の化学処理で活性化させ、めっき液との親和性を高めます。これによってめっきの均一性や密着性が向上します。

③酸性パラジウムめっき
酸性のパラジウムめっき液を使用して、基材にパラジウムめっきを行います。めっき槽内には、パラジウムの塩類を含んだ酸性溶液が配置され、基材を陰極(負極)として電気めっきを行います基材の表面にパラジウムの層が形成されます。

④めっき後の洗浄、乾燥
めっき後、基材を洗浄してめっき液を取り除きます。洗浄は複数回行われます。その後乾燥させ、水分による表面酸化を防ぎ高品質の仕上がりを確保します。

⑤外観検査
めっき処理が終わった製品の外観確認を行います。キズ、汚れ、シミ、めっき剥がれ等が無いか確認し問題が無ければ梱包、発送となります。

パラジウムめっきは高度な技術が必要でありであり、安全な設備と専門的な知識を持った作業者が行う必要があります。また、環境や安全基準にも注意が払われるべきです。