■鍍金(めっき)とは

鍍金(めっき)とは表面処理の一種で、金属または非金属の材料の表面に金属の薄膜を被覆することとされています。

■鍍金(めっき)の目的

めっき処理を行う目的は母材表面に何らかの機能を持たせることです。一般的には下記が挙げられます。
・耐蝕性(錆や腐食を抑える)
・耐久性(耐摩耗性、耐衝撃性などを上げる)
・耐熱性(熱に耐えられるようにする)
・装飾用途(様々なカラーバリエーションがある)
・導電性(母材に伝導性を持たせる)
めっきにの種類は様々でありお客様が求める用途によってめっきの種類を選定いたします。

■鍍金(めっき)の種類

鍍金(めっき)は、電解めっき、無電解めっきと大きく2つに分かれます。

<電解めっきの特徴>

電解めっきは、電気を流したときの電気分解による化学反応を利用しています。
メリットとして、
・速い速度でめっき処理ができる
・厚膜処理ができる。
・伝導性のある多様な金属・合金に処理ができる
・めっきが施されていない母材への熱の影響が少なく処理ができる
・無電解めっきと比較して低コストで処理ができる

デメリットとして、
・めっきに均一性がとりにくく複雑な形状の母材も不得意とする
・導電性のない母材にはめっき処理ができない
などがあります。

<無電解めっきの特徴>

無電解メッキは薬品による化学反応を利用しています。化学めっきともいわれます。
メリットとして、
・膜厚を均一に処理ができる(電気の流れに左右されないため)
・母材が複雑な形状でも処理ができる
・導電性のない母材に対しても処理ができる
・直流の電源を必要としない

デメリットとして、
・電解めっきと比較して、処理できるめっきの種類が限られている
・槽内を高温維持しなければならない
・薬品の影響で槽内が科学的に不安定になる
・不安定な槽内を調整するための液にコストがかかる
・電解めっきと比較したときにトータルコストが上がる
などがあります。
めっき処理を施したい母材の種類や用途により電解めっきか無電解めっきかを選定します。

■めっきの工程

めっき処理を行う工程は大きく3工程に分かれています。
①前洗浄工程
前処理は主に洗浄がメインになります。処理をする母材の種類、形状やめっきの種類によって様々な洗浄工程があります。洗浄工程で表面の脂分や汚れなどを除去しきれないことでめっきの密着性不良の原因にもなってきますので、前洗浄は重要な工程となります。

②めっき工程
洗浄工程の後はメインとなるめっき工程となります。電解メッキ又は無電解メッキを施します。めっき工程には、めっき後の冷却処理や防錆処理も行われることも多いです。

③仕上げ工程
仕上げ工程はベーキング、塗装、研磨などが行われるものもあります。仕上げ後は検査工程を経て完成となります。