銀めっき（Silver plating）は、金属の表面に銀の薄いめっき層を形成します。銀は元素記号Agで表される金属であり、銀めっきは、導電性、耐食性、美的な外観などの多様な特性からさまざまな用途で使用されます。
銀めっきの特徴
1,導電性
銀めっきは非常に高い電気伝導性を持っています。電子工学分野では特に重要で、電子部品、コネクタ、配線、回路基板などの製造に使用されます。
2,耐蝕性
銀めっきは金属部品や製品を酸素や水分から保護し、耐蝕性を向上させます。これにより、金属部品の寿命が延びます。
3,溶接性
銀めっきされた部品は他の金属との溶接が容易であり、組み立てや修理作業に適しています。
4,装飾用途
銀は美しい金属であり、装飾品や食器、磁器などの美的な要素としても使用されます。銀めっきは製品に輝きと高級感を与えます。
5,低接触抵抗
銀は低い接触抵抗を持つため、電子部品や接点の素材として使用され、信号伝達の品質を向上させます。
6,密着性
銀めっきは他の金属との密着性の相性が良いため、他の金属めっきのバインダー膜としても使用されることがあります。
7,殺菌、抗菌効果
銀には殺菌や抗菌効果があります。細菌などに対して効果があるものと近年注目を集めている金属です。
銀めっきは一般的に電解めっき処理を行います。一般的な工程の流れは下記のようになります。
①受け入れ、前処理
金属部品を開梱しキズや汚れを確認します。その後、洗浄し油や汚れを取り除き、表面を清潔にします。
②酸洗浄
酸を使用して表面を浸し、酸化物を取り除きます。これにより銀めっきの密着性が向上します。
③銀めっきバス
銀めっきを行う前に、作業環境をきれいにし、埃や汚れを落とすことが密着性向上やめっきの質の向上につながります。金属部品を銀めっきバスに浸し、電流を通して銀イオンを金属表面に堆積させます。めっきバスには銀の化学溶液が使用されます。
④バフィング、仕上げ
仕上げの条件によっては、めっき後に製品をバフなどによって磨き、きれいな外観に仕上げることもあります。
⑤外観確認
めっき処理が終わった製品の外観確認を行います。キズ、汚れ、シミ、めっき剥がれ等が無いか確認し問題が無ければ梱包、発送となります。
＜銀めっきの使用例＞
・リング、ネックレス、イヤリング、ブレスレットなどの宝飾品
・食器類
・プリント基板やコネクタなどの電子部品
・医療機器やインプラント
・防犯マーキング
・船舶の金属部品や海洋機器、船体の一部、海底通信ケーブルや海洋センサーの接続部分
