プラズマとは、気体の電気的放電によって生じる物で、イオン、電子及びに中性粒子からなる電離気体の事で、その現象と同時に紫外線も発生しているのが普通です。したがって、プラズマを利用した表面処理においては、イオンや電子の作用だけではなく紫外線の作用効果も寄与してます。

プラズマには、高温プラズマと低温プラズマがあり、表面処理に関しては低温プラズマの方が良く利用されます。

高温プラズマとは、熱的に並行領域のプラズマの事で、一般的にはアーク放電といわれるものです。
気体温度が10000℃以上にも達するので、核融合、金属の溶解、金属の切断など、高温を必要とする分野で分野で利用されます。
表面処理の分野では、高温プラズマはプラズマ溶射、セラミックコーティング、肉盛りなどに利用されます。

低温プラズマに関しては、熱的には非平衡で、通常は高温プラズマに対し低い圧力下で発生します。気体温度自体は低いのですが、高エネルギーを持ったイオンや、中性粒子が物理的・化学的反応を起こすため、広範囲の表面処理に良く利用されます。

PVD・CVD方式の成膜もこれにあたり、その他にもエッチングなどの洗浄・除去加工、窒化や浸炭などの表面熱処理分野などにも利用されています。
低温プラズマの反応促進作用は、表面処理において処理温度の低温化やコーティングにおける膜種の多様化などの素晴らしい効果をもたらします。
また、反応促進作用だけでなく、固体表面へのイオンアシスト作用や、イオンによるマイナス側への帯電作用もあるので、コーティングにおける被膜の密着性強化も期待できます。

なお、低温プラズマの種類は非常に多く分類されていますが、表面処理におけるプラズマにおいては、13.56MHzの高周波プラズマ、または直流のグロー放電が良く利用されています。

弊社の装置の仕様もプラズマを利用した物であり、装置内での基板のクリーニング、表面処理時の物質への衝撃、さらに製品に対してのイオンアシストなどにも低温プラズマが発生しています。