ステンレス製造販売の会社様で3つ困っている内容があり、それぞれの状況を確認し弊社のTiNコーティングを提案しました。



お客様からのご要望

①不良率低減
カード型の樹脂製品を印刷する際に、印刷機に樹脂が貼りついてしまい、次に印刷した際に貼りついた異物残りが原因で印刷不良が発生して困っていました。

②外観品質
海外でTiN処理をしている既存製品は、表面に洗浄シミ等の汚れがあり、製品外観基準としては問題ないが、エンドユーザが外観を気にされるため汚れを除去したく困っていました。

③納期と仕掛り
既存の海外コーティングメーカは納期が受注後2か月かかり、また最低ロット数が多いためエンドユーザの注文に対して答えるには仕掛をもたなければならず困っていました。

弊社からの改善提案

①印刷機で使用されているステンレスプレート表面に、樹脂離れ性(離型性)を向上させるTiN膜コーティングを行う事で樹脂の貼りつきが軽減され不良率低減が期待できます。

②洗浄シミに関しては、大判成膜の際にはどのような洗浄方法を行うかで大きく変わってきます。弊社では大判用の洗浄設備が無いため製品サイズ上、問題ないサイズまで分割して頂き対応しました。
手拭き洗浄は水溶性汚れ、不溶性汚れ等、様々な汚れを考慮し洗浄テストを行い処理を進めました。また、手拭きで発生してしまう、拭きムラについては真空装置内でイオンボンバード処理(Arイオンを製品表面に叩きつけエッチング)する事で表面汚れの除去が期待できます。

③海外メーカは輸送の関係で国内よりも納期がかかりやすいです。弊社は大型の装置のため生産性が高く、2週間前後で小ロットからTiN膜コーティングが可能なため、仕掛を持たない管理が期待できます。

TiN膜コーティングを行った結果

①樹脂の貼りつきについては離型性、耐久性に共に同等レベルのため問題なし

②洗浄シミについては、製品へのシミ転写がほとんどなく、既存品よりも外観が良い事から、非常に満足している。

③量産はまだスタートしていないが、試作と同様の品質が量産でも満足出来れば、仕掛を持つことなくエンドユーザに供給が可能であるとのお声を頂きました。