容器などの樹脂成型を行っている会社様から、樹脂離れ(離型性)が良く、適度に硬い膜が無いかと相談を頂きました。現在使用している膜は離型性はあるが、樹脂材にパール系の硬い物質が含まれているため、母材へのアタックが激しく膜が持たなくて困っていると相談されました。

容器の強度を持たせるために、製品によってはパール系が材料に混ざっているそうですが、どうしても設備へのダメージも大きく表面コーティングの必要性が大きくなってきます。

樹脂離れ性(離型性)が悪くなると不良が発生するため、硬度よりも樹脂離れ性を優先してコーティングを行ったが、両方の機能を兼ね持ちお客様のお悩みを解消できる期待があるため、TiNコーティング処理を提案しました。

一度使用した金型部品への成膜だったため、弊社で膜剥がしと下地研磨を行いました。金型部品の寸法に関してはそれほど気にしていない部品だったため、すでにされていたコーティングについは、物理的に磨き処理を行い除去しました。

通常のTiN膜よりも遥かに弱く使用時に寿命が短い理由が、この下地処理の段階である程度把握する事が出来ました。

磨き作業後にTiNコーティングを行い、お客様に実機での評価をして頂きました。

『表面を触った感じでの摩擦は劣る感じがしたが、実際に装置で使用してみると初動をしては離型性については問題なく使用でき満足しています。
従来の膜と比べ寿命は1.5倍(3か月→5か月)ほどに伸び、非常に満足しています。』とのお声を頂けました。

お客様にTiN膜のみならず、金属膜について様々な膜種がある事を説明し、それぞれのメリット・デメリットを理解して頂く事が出来ました。

弊社の装置ではありませんが、協力工場では他のコーティングも行っている旨をご紹介した所『試作的にぜひ、他のコーティングも試して評価してみたい。』と非常にコーティングについて意欲・関心を持っていただき、弊社としてもお客様のお力添えが出来き非常に満足しております。

今後も自社開発も並行して進めていき、お客様のニーズにお応えし続けられるような会社を目指していきたいと思います。